カテキンの抗菌効果

病院や介護施設では、褥瘡(じょくそう:床ずれのこと)の防止のために
緑茶で利用者の身体を拭くことがあるそうです。
これは緑茶に含まれるカテキンには、抗菌効果があるからです。

[カテキンの抗菌効果と、有効な細菌]

カテキンは、様々な病原菌に対して抗菌効果を示すことがわかっています。

緑茶の飲用で食中毒の、うがいで細菌やウイルスの感染予防が期待されます。

[抗菌効果のメカニズム]

カテキンの抗菌メカニズムは、下記のしくみが判明しています。

・細菌が生み出す毒素を無毒化する
・細菌の一部にくっつき、感染・増殖を防ぐ
・細菌の表面に傷をつけ、菌を壊す

抗菌のしくみは細菌ごとに異なり、研究による詳細の解明が今後期待されます。

[虫歯への効能]

また、緑茶は虫歯の予防にも有効です。
歯に住み着いている虫歯菌が食物中の糖分から歯垢(しこう)をつくります。
その中で活発になった菌が酸を生み出し、歯の成分を溶かし、穴を空けることで
虫歯が進行します。
カテキンは虫歯菌による歯垢の形成、酸の生成を抑えることで、
虫歯の進行をくい止めます。
また、虫歯菌が歯にくっつかないようにすることで、虫歯を予防してくれるのです。

[おわりに]

薬としてのお茶の歴史は古く、起源は中国の神話にまでさかのぼります。
医薬の神として信仰されている神農は、野草を実際に食して毒の有無を確かめ、
毒にあたったときは茶の葉で解毒したと伝えられています。

数千年の時を経て、古来の伝承が抗菌効果という根拠に基づいた事実として
脚光を浴び始めています。