カテキンの抗肥満・体脂肪低下作用

夏の暑さも盛りを過ぎ、秋の気配が近づいてきました。
皆さまにおかれましては、秋はいかがお過ごしのご予定でしょうか。

秋になると、旬を迎えて安くておいしい食材が多くなります。
また、温度が下がって涼しい気候になると、
身体の基礎代謝が上昇しますので、食欲が増します。
こうしたいくつかの要因から、この季節は食欲の秋と言われます。

食は私たちにとって、もっとも身近な楽しみのひとつ。
生きるよろこびと言っても過言ではありません。
ですが、おいしいものを欲しいままに飲み食いすれば
欲しくないものも身体にたまってくる。
それが体脂肪です。

緑茶に含まれるカテキンには、脂質由来のエネルギー消費を高めることで、
中性脂肪を減らす効果
があります。

また、カテキンは小腸での脂肪吸収を低下させます。
食事で摂取された脂肪は、膵(すい)臓で分泌される酵素(膵リパーゼ)によって
消化され、体内へ吸収されます。
カテキンはこの膵リパーゼのはたらきを下げることにより、
脂肪の吸収を抑え、体内にためない効果があります。

つまり、カテキンは2つの効果によって肥満を防ぐのです。

こうしたカテキンの効果はヒトを対象にした試験でも報告されております。
カテキンの多い茶飲料(588mg/350ml)を1日1本、12週間毎日飲み続けたところ、
体重、お腹の脂肪が減少しました(※1)。
また別の試験で茶カテキン(690mg/340ml)を飲料で1日1本、12週間毎日摂取ところ、
ウエスト周囲が短く、お腹の脂肪の減少が報告されています(※2)。

男性は18歳ごろ、女性は15歳ごろをピークにして、
年齢とともに基礎代謝量が落ちていきます。
つまり、年を重ねるとともに食べられる量が減っていくのです。

いくつになっても、おいしいものを味わえるからだでいたい。

節度を保って食事を腹八分目に抑えつつ、
カテキンの摂取によって体脂肪の増加を防ぐことで、
食べても健康でいられる幸せを享受できるのです。

※1 土田隆, 板倉弘重, 中村治雄. カテキン類の長期摂取によるヒトの体脂肪低減作用. Prog Med 2002; 22: 2189-2203.

※2 Nagao, T., Hase, T., Tokimitsu, I. A green tea extract high in catechins reduces body fat and cardiovascular risks in humans. Obesity (Silver Spring) 2007;15:1473-1483.