水溶性ビタミン

ビタミンは健康維持に必須で、私たちの体内では合成できない微量の栄養素です。
水溶性ビタミンは全部で9種類あり、
緑茶に含まれるのは、主にビタミンB2、葉酸、ビタミンCの3種です。

表:各種飲料に含まれる水溶性ビタミン(B2、葉酸、C)含有量

※ビタミンB2の成人所要量は、女性(18~74歳)の推奨量
参考:下記文献の測定値を基に筆者作成
   成人所要量…厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
   食品中の含有量…文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

上記のビタミン比較表により、他の飲料と比べて
緑茶は水溶性ビタミン(B2、葉酸、C)が多く含まれ、バランスよく摂取できる飲料といえます。

ビタミンB2

ビタミンB2は、全8種あるビタミンB群の一種です。
濃い黄色の結晶で、光によって分解する性質があります。
体内に入ると小腸から吸収、臓器に蓄積されますが、
余った分は尿として排出されます。

糖質、たんぱく質、脂質からエネルギーを生産するのを助け、
からだの成長を促します。
また、皮膚や粘膜を保護する効果もあります。

ビタミンB2が不足すると唇の端が腫れる口角炎、舌炎、
肌荒れなどを引き起こします。

葉酸

葉酸はビタミンB群の一種です。
ほうれん草から抽出され、緑の葉に多く含まれることから
葉酸と名付けられました。

体内に入った葉酸が小腸で消化、吸収されると、
半分は肝臓で貯蔵されます。
残りは胆汁とともに分泌され、
再び小腸から吸収され、全身へ運ばれます。

葉酸はビタミンB12とともに、赤血球の生産を助けるビタミンなので、
不足すると貧血を引き起こします。
最近の研究では、葉酸とビタミンB12
動脈硬化を予防する効果があることがわかってきました。

また、葉酸は胎児期の発育を促す重要な栄養素で、
奇形や下半身まひを引き起こす神経管閉鎖障害のリスクを減らす効果があります。

ビタミンC

白色の結晶で、酸っぱい味がします。
体内に入ると小腸から吸収され、
ほとんどが血中に送られて全身の組織へ運ばれます。

ビタミンCは様々な健康効果があり、主な効能は下記のとおりです。

・抗酸化作用による、動脈硬化などの心疾患の予防
・ビタミンEとあわせて、日焼けを予防
・コラーゲン合成を促進、皮膚や血管の健康を維持
・異物の解毒機能の維持
・鉄分の吸収を促進、貧血を防ぐ

ビタミンCは熱や光で容易に分解されるため、
加熱調理された食事や野菜ジュースは、ビタミンCを元の半分以上失っています。
ロスなく摂取するのは、意外にも難しい成分です。

一方、緑茶にはビタミンCと同じく抗酸化作用を持つ
カテキンが含まれています。このカテキンが、
ビタミンCの分解を防いでくれるため、
緑茶は他の飲料よりもビタミンCを摂取しやすいのです。