
5月に入り、宇治新茶も続々入荷しております。そのなかでも、今年、数年ぶりに仕入れた希少品がございます。
本日は、限られた職人がもつ伝統的な製法技術「手揉み製法」でつくられた、「宇治銘茶 手もみ新茶」をご紹介いたします。

日本茶は、生葉に熱を加えて発酵(酸化)を止め、揉みながら乾燥させ、仕上げていきます。
現在は、ほとんど機械で行われていますが、古くは人間の手で行っていました。その洗練された技術は、無形民俗文化財とされています。
「かき上げる」「転がす」「ほぐす」そして「もむ」。
ひとくちに手揉みといっても、工程によって「手業」は、さまざまです。
機械では完全に再現できない、針のように尖った茶葉の形状は、しばしば芸術的であると賞賛されるほど、希少なものとなっております。

手で丁寧に揉みこむため、お湯で抽出したあと、指で茶殻を広げてみると、このようにきれいな葉の形に戻ることがあります!
お召し上がりになったあと、ぜひ茶殻をご覧になってみてください。

スタッフも今回、味見を行いました。まず驚いたのは、とびきり強い旨味と香り。それは、繊細な新芽の繊維をやさしく扱っているため、茶葉が壊れず、余分な成分の抽出が抑えられているから。
新茶が持つ本来の味わいを愉しみたい方には、ぜひおすすめ。 市場にはほとんど出回らない今だけの旬を、どうぞお楽しみください。