茶と文化 Tea Culture – 日本で、欧州で、中国で。文化として世界各地で開花したCHA

中国より伝えられ、京都で生まれた日本の「茶文化」

「東洋の心」とまで称される日本の茶文化。その原点は京都にあります。京都の茶の歴史は、鎌倉時代、京都高山寺に播かれた一粒の種子により始まり、当初は僧侶や貴族の間で珍重して飲まれ、また薬としても使われていました。やがて武士階級にも広まった茶の湯が、千利休を中心とする茶道となり、侘び・寂びの精神文化へと昇華していきます。
茶道はさらに一期一会といった倫理をも含むようになり、「日本の心」として世界に誇れる茶文化が生まれます。また、桂離宮などの茶室や茶器といった芸術的文化をも生み出しました。

ヨーロッパへ渡った最初の茶は紅茶ではなく、17世紀にオランダ人の手によって平戸から伝えられた日本茶だったといわれます。 しかし、鎖国による茶貿易の衰退で、ヨーロッパ人は中国に茶の輸入を求めました。 当時の茶は非常に高価で、ティーテーブルに集まるのは王侯貴族や粋な貴婦人のみで、その作法も独特のものでした。

ヨーロッパの「紅茶文化」は、王侯貴族の優雅な茶会として一世を風靡

ヨーロッパの茶文化の特色で、ミルクと砂糖を入れるという飲み方は紅茶独自のティー文化を生み出したといえます。 特に英国では、18世紀にはすでにアフタヌーンティーの習慣が貴族階級の間に定着しており、英国の紅茶文化の礎がここにあります。

飲茶文化を生んだ中国は茶のふるさと

茶の発祥の地、中国の茶文化といえば「飲茶」です。「飲茶」は、日本の茶道や英国のティーのように茶そのものを楽しむものではなく、点心と呼ばれる料理とともに飲まれるもので、食を大切にする中国らしい文化です。

「飲茶」は主に広州で育まれ、料理とともに、その茶の質が大きく問われます。中国にはウーロン茶ばかりでなく、プアール茶、ジャスミンティなどさまざまな茶があり、人々の生活に欠かせぬものとなっています。